はじめに
オーラルとは「口」、フレイルとは「虚弱」という意味の“frailty”(フレイルティ)に由来しています。つまりオーラルフレイルとは「口の虚弱」です。
フレイルとは・・・
「frailty」を元に作られた造語で、「frailty(虚弱)によって機能が下がっているが、適切に対処を行うと再び健常な状態に戻るという意味があります。
日本は現在高齢化が進むにつれ、何らかの障害をもった要介護者が急激に増加しています。これをなんとか食い止めたいが、障害まで機能低下が進んでしまうとなかなか健常の状態まで戻すのは難しいので、その手前に名前をつけて、国民の予防意識を高めようという目的があったのです。「フレイル」の時点で手を打てっおけば、介入次第で健常の状態に戻ることができます。

フレイルの最大の原因:サルコペニア

サルコペニアとは加齢性筋肉減少症のことで、「加齢と栄養不良・廃用(※1)・疾患(※2)によって筋肉の量が減ってしまう状態」をいいます。
サルコペニアが進行すると安静時の基礎代謝量が減り、消費エネルギーが減り食欲が低下して低栄養を招きさらなるサイコぺニアに陥るという負のスパイラルになります。つまり、「フレイル」の主要な原因は「サイコぺニア」であるといえるのです。
※1 寝たきりなどで筋肉を使わないことによって機能が低下すること
※2 ここでいう「疾患」とは、筋肉が痩せていく病気などを指す

オーラルフレイルについて

オーラルフレイルは「口の虚弱」であるとともに、「身体全体のフレイルの入り口」であるともいわれています。
第1段階 “社会性の低下”「社会性/心のフレイル」
第2段階 “口の虚弱”「活舌が低下する」「お茶や汁物などでむせる」「固い食べ物が噛めない」
第3段階 “身体全体のフレイル”
第4段階 “重度のフレイル”「生活に支障をきたす障害をもった状態」                                               
第1段階でフレイルに気付くのは現実には難しいことですが、歯科関係者や本人、家族などの普段接する人たちがこのオーラルフレイルを意識できるようになれば、第2段階で予防策に移ることができます。

新しい概念「口腔機能低下症」
口腔機能低下症とは「オーラルフレイルよりも“口腔虚弱”が進行し、医療的な対応が必要であるが、生活機能への障害までは至っていない状態です。
「口腔不潔」「口腔乾燥」「咬合力低下」「舌口唇運動機能低下」「低舌圧」「咀嚼機能低下」「嚥下機能低下」上記の7項目のうち、3項目以上で基準を満たすと口腔機能低下症の診断がつきます。